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 先日、また本を読み終わったので下記に紹介します。今回、読んだ本は「芙蓉(ふよう)の人」という1975(昭和50)年に出版されたかなり古い小説です。

本の概要

 まず、この本の紹介文は

天気予報を正確にするには、富士山頂に観測所が必要だ、との信念に燃えて厳冬の山頂にこもる野中到(いたる)と、命を賭けて夫と行をともにした夫人の行動と心情を感動的に描く。

 この本はどこで知ったのかは忘れましたが、気象に関する話ということでちょっと興味がありました。

 私なりに内容を解説すると、明治時代に正確な気象予報を行うためには標高の高い富士山山頂で気温や風速、気圧などの調査を行う必要があるといわれていました。それを行うために1人の男性である野中到が山頂に観測小屋を作るための準備を行います。

 それと共にその厳しい環境の中でたった1人で行うのは厳しすぎると言うことで夫を助けるために妻の千代子が密かに準備をして山頂へ追いかけます。この時代、妻は夫よりも2歩も3歩も後ろを歩き、家を守って子育てに専念するというような時代でした。その様なときに夫と共に富士山へ登るというのは周りから反対されるのは当たり前。それを頭のいい千代子は一手も二手も先を読んで行動を起こす様がなかなか読み応えがありました。

 そして、二人が山頂に着くと富士山頂という極寒と高山病の厳しい環境の中で2時間おきに観測を行うという更に厳しい作業へ挑んでいく姿は本当にすばらしい内容でした。最後はどうなったかは実際に読んで頂くとして、こんなに面白い本がこんな昔に書かれていたと思うと本当に驚きでした。

現在の本とは違う書き方

 購入後、家で読み始めたところちょっとビックリしました。それは字の大きさが今まで読んだ現代の小説よりも小さくてぎっしりと書かれているのです。ページ数が250ページほどとそれほどページ数は多くありませんが、字が小さくびっしり書かれていることからストーリーは思ったより長いと思います。

 読み進めてみると古い小説のせいなのか、今では使わないような漢字を多く使われていて所どころで止まってしまいます。こんな読みにくく、難しい本を本当に読み進めることができるのかと思いましたが、読んでいく内にどんどんのめり込んでしまい、あっという間に読んでしまいました。

 それと、漢字が難しいで思い出しましたが、この本の所々にはその当時の手紙などがそのまま掲載されています。この文章が本当に読めない!私が無能なだけかもしれませんが、その当時の文章の書き方ができる人は現代ではほとんどいないのではないでしょうか。文章で感情を表しやすいように顔文字などを使っている私達にとっては、あの文章でその感情を表すことができているというのだから、日本語を本当に学べばいろいろと伝えることができる文章が書けるような気がします。そうは言っても、その文章が相手に読まれて理解されないと意味がありませんが。

まもなくドラマ化

 この小説は今までに何度かテレビでドラマ化されていたようですが、まもなく新しくドラマ化されてNHKで放送されるそうです。日時は2014年7月26日(土)21時から全6回とのこと。

松下奈緒×佐藤隆太『芙蓉の人 ~富士山頂の妻』制作開始! | 土曜ドラマ | ドラマトピックスブログ:NHKブログ

水銀晴雨計

 あと、ストーリーの中には所々わからないものが出てきます。その一つに「水銀晴雨計」という気圧計の話が出てくるのですが、これが全然イメージできなかったのですが、調べてみたところここの「4.2 水銀気圧計の原理」に書かれていました。

富士山頂の冬の気圧 ―小説「芙蓉の人」―

最後に

 書き方等はちょっと難しく、最近の小説を読んでいるとなかなか読みにくい本かもしれませんが、本当に面白くおすすめの一冊でした。ちなみにタイトルの「芙蓉」とは富士山のことですが、小説に出てくる千代子がかなりの美人と言うことなので、富士山とは別の意味のある蓮(ハス)の花を千代子と重ねているのではと、勝手に解釈しています。

芙蓉の人 (文春文庫)

価格¥1

順位993,563位

新田 次郎

発行文藝春秋

発売日1975/05/25

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