本「公開処刑人 森のくまさん」

 小説「公開処刑人 森のくまさん」を読んだので下記にその本について明記しておきます。

 「森のくまさん」と聞いてカワイらしいなどと思うのが一般的かと思いますが、この本はそんな言葉とは正反対の何とも恐ろしいサスペンスストーリーです。その証拠にタイトルには「公開処刑人」という言葉が付いています。出版社の解説は以下の通りです。

公開処刑人「森のくまさん」。犯行声明をネットに公表する連続殺人鬼だ。捜査本部は血眼で犯人を追うが、それを嘲笑うかのように惨殺は繰り返され、世間は騒然となる。殺されたのはレイプ常習犯やいじめを助長する鬼畜教師など、指弾されても仕方ない悪党ばかりで、ネットには犯人を支持する者まで出始めていた。一方、いじめに苦しみ、自殺を図ろうとした女子高生の前に、謎の男が現れ…。

 世の中では酷い事件が毎日のように報道されています。しかし、世には出てこない大小様々な犯罪も存在します。そして、警察の力だけでは捕まえることができない。または現在の法律では犯罪にならないこともあるかもしれません。その様な犯罪(「犯罪」の一言でまとめられるものではないかもしれませんが)を法的には違反でも、誰かがヒーローのように制裁するという考えを持つ人はいるかもしれません。過去にその様なニュースを見たことがあるような気がします。

 では、それは本当にいいことなんでしょうか?それとも法を犯しているから悪いことなんでしょうか?私は個人が非難することは自由だと思いますが、それを裁いて、罰を与えるのはいかがなものかとも思います。けど、その様なヒーロー的な妄想はよくあることでしょう。この本ではそれを現実的に実行してしまった「森のくまさん」が裁く様子やその周辺の様子、そして、その森のくまさんの正体について書かれています。このようなことをやることはNGだと思いますが、小説のストーリーとしては面白かったです。

 また、この本の中にはカネボウ化粧品の白斑症状問題と同じような事例が掲載されています。もちろん、このストーリーと白斑症状問題は関係ありませんが、作者は何かを思ってこの問題をこのようなストーリーで取り入れたかと思います。

 この本を最後まで読んでわかったのが、犯人が「森のくまさん」と、名乗る理由もわかりました。途中で歌詞の内容から「森のくまさん」と名乗ることが書かれていますが、実はそれはこじつけで、理由は違うところにあるんだと最後にわかりました。これは「なかなか考えているな~」と思いましたね。すでに読んだ方はわかりますか?もし、興味のある方は読んでみてください。ちょっと残酷な部分もあるので注意が必要です。

公開処刑人 森のくまさん (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者/訳者:堀内 公太郎

出版社:宝島社( 2012-08-04 )

定価:

Amazon価格:¥ 2,951

文庫 ( 317 ページ )

ISBN-10 : 4800200768

ISBN-13 : 9784800200761